"ものが壊れるわけ" マーク・E・エハバート 松浦俊輔訳
河出書房新社2200円
著者はなんでモノって壊れんの?ってのに興味を持って
前半の内容はその半生記、誇張しすぎだけどマヂで(笑)
後半は2割ぐらいしかわからん(苦笑)
ワタシには結局"ものが壊れるわけ"は分からんかったなー(泣笑)電荷密度がどうだの書いてるけど意味ワケワカメ。ダメ読者ですんません。
けどおもしろい。
ってのは
1:目から鱗がぽろりの文章があったこと。
2:行間で外野について書きまくってること。
って二つオモシロポイントがあったんで。
1はもう抜粋しちゃうね。
「われわれはものがいつ壊れるか予想できない時代から、すべてのものは決して壊れないように作るべきだと期待される時代に移ったのである」
P.113
ハイ、確かに"すべてのものは決して壊れないように作るべきだ"と思ってました。
無意識に。
この一文は頭殴られました。
「"すべてのものは決して壊れない"ってことなんてない」事は経験的に「分かってる」事だと思うんです。
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ。(平家物語)
行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しく止とゞまる事なし。世の中にある人と住家すみかと、またかくの如し。(方丈記)
こんなお国柄なんで。
でも"ものは壊れちゃいけない"っておもってるんだよ。なんでだろーなんでだろー♪分かんないよー♪
2。
・著者が大学院を選ぶ時に考えざるを得なかったのは以上3つ。
「自分の研究が出来る所」+「当時の彼女とわかれずに済む学校」+「スキーが出来るところ」(笑)
・スペースシャトル"チャレンジャー号"の打ち上げ失敗の理由は失敗前にある程度予測されていた(これも頭ぶん殴られた)失敗の可能性が有るにも関わらず発射が決行されたのはなぜか。
・研究にはお金が要ります。なんで壊れない新素材作りまっせ、と言ってみました。けどホントに出来るかどうかも分からないもんには金は出ません。世知辛い世の中だ。どうしましょう。
etc etc
ものが何故壊れるかという研究自体が"なんらかの力"によって壊れる可能性を書いてる。これは完全に"わざと"書いてる。
その力の答えは「政治力」ですな。
節目節目にその力が働いてる事は当然の話なんだけどあえて書いちゃうあたりが面白い。オトナの世界って大変だな(笑)ガンガレ超ガンガレ。
ちなみに
努力の甲斐があってその当時の彼女とは上手くいったようだ(著者解説での嫁さんの名前が一緒)
スキーに関してはわざわざ地域の雪質の違いまで書いてるんで多分ちょっと失敗したなーと思ってると思う(笑)